
小松病院しか口腔外科では、地域医療の充実と効率的な医療供給体制を確立し、より良い医療を患者さんに提供するために、地域の各医療機関それぞれの機能や特殊性を活かした適切な役割分担と、業務連携を推進するという理念のもと、「登録歯科医制度」を制定いたしました。これは、地域の先生方より紹介された患者さんの受け入れや、小松病院で治療中の患者さんのうち比較的安定している方の「逆紹介」を積極的に行っていくなど、先生方との連携を充実させていく制度です。


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当科は大阪歯科大学歯科麻酔科・第一口腔外科の関連病院で厚生省歯科医師臨床研修指定機関・日本歯科麻酔学会準研修機関です。 口腔外科、障害者歯科、他科疾患有病者歯科を中心とした二次歯科医療機関で、一般的な歯科治療は連携歯科医療機関に逆紹介しています。
寝屋川市を始め守口市、門真市、大東市、四条畷市、交野市、枚方市の医院から多くの紹介患者を受け入れています。常勤歯科医師5名、研修歯科医師1名、非常勤歯科医師1名の体制になり、口腔外科手術だけでなく「周術期の口腔管理」を行い「NSTへの参加」により、病院歯科としてさらに幅広く活動できるようになりました。
寝屋川歯科医師会と協議し、地域医療の充実と効率的な医療供給体制を確立しより良い医療を患者さんに提供するために、地域の各医療機関それぞれの機能や特殊性を活かした適切な役割分担と、業務連携を推進するという理念のもと「登録歯科医制度」を制定いたしました。これは、地域の先生方より紹介された患者さんの受け入れや、小松病院で治療中の患者さんのうち比較的安定している方の「逆紹介」を積極的に行っていくなど、地域の診療所との連携を充実させていく制度です。現在69の歯科診療所が登録しています。 睡眠時無呼吸症候群を疑う患者は、人口の3%いるといわれています。日本の中高年男性の約6割はいびきをかき、そのうちの1割は睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。睡眠学会認定歯科医師の田村仁孝が、いびき外来を開設しております。
また、厚生労働省認定歯科医師臨床研修機関であり、臨床研修歯科医の臨床研修を実施しています。月に1回小松病院歯科口腔外科臨床セミナーを開催し、近隣の歯科医師と症例検討を行っています。

- 口腔外科
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- 炎症
- 歯性上顎洞炎、膿瘍、蜂窩織炎、骨髄炎など顎顔面領域の感染症
- 外傷
- 顎顔面骨折、歯牙および軟組織外傷
- 嚢胞
- 歯性および非歯性
- 腫瘍
- 口腔腫瘍(悪性、良性)
- 顎関節疾患
- MRIによる診断、関節鏡下授動術などが必要なときは3次医療機関に紹介することがあります。
- その他
- 抜歯依頼、唾液腺疾患、口腔粘膜疾患、偶発症の対処等、口腔疾患全般について治療を行っています。
- 他科疾患有病者歯科
- 各種モニターを用いて全身疾患(高血圧・糖尿病・血液疾患など)を有する患者さんの歯科治療を行っています。
- 障害者歯科
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全身麻酔下での歯科治療も行っています。
- 在宅歯科診療のバックアップ
- 入院下にて観血的治療を行っています。口腔悪性腫瘍の患者さんの在宅訪問診療にも対応しています。
- 歯科インプラント
- 一般的な歯科治療においては、歯の欠損が生じた際にはブリッジや義歯といった形での補綴処置がなされてきましたが、残存する歯の負担が強くなり新たな欠損が増えたり、充分な咀嚼力を回復できなかったりと、満足な結果が得られない場合も存在しました。当科では歯科用インプラント治療を導入し、さまざまなニーズにこたえるよう努めています。
インプラント治療は一般の歯科医院でも多くされるようになってきましたが、当科では病院歯科という特殊性を生かしたインプラント治療を行なっています。骨量が少なくて通常はインプラント治療が適応外となる場合では、自家骨移植やサイナスリフトなどの骨造成手術を併せて施行しインプラント埋入を行います。大きな手術となる場合は入院下で行なうことが可能です。
また、常勤歯科麻酔専門医による各種麻酔を行う事により、より快適に安全に手術を受けられる環境づくりに努めています。
- 顎変形症について
- 顎変形症は、上顎あるいは下顎が大きく前後にずれていたり左右に傾いていたりするなど、骨格性の問題により噛み合わせの異常や顔の変形が生じている状態の総称です。顎変形症により、食べ物を噛みにくい、言葉を発音しにくいなどの機能的な問題や、受け口や前歯の突出または顔の非対称など顔貌上の問題を生じることがあります。さらに顎関節症や睡眠時無呼吸症候群の要因となる可能性もあります。顎変形症の多くは原因不明と考えられていますが、先天性の病気や顎の骨折に伴うものなど原因が明らかな場合もあります。
治療は、矯正歯科治療と顎矯正手術を組み合わせた外科的矯正治療の適応となります。外科的矯正治療により、歯や顎関節に負担がかかりにくい良好な噛み合わせを得ることだけでなく顔貌上の問題が改善されることも期待できます。手術は全身麻酔下に行い、口内からの操作で顎骨を骨切りして適切な位置に移動させてプレートで固定します。10日間程度の入院が必要です。顎顔面には太い血管や大事な神経が存在するため、手術による顎骨の移動には制限があり、出血や神経損傷など合併症のリスクもあります。矯正歯科治療は手術の前後に行います。治療完了後も後戻りに注意して経過観察を行う必要があります。
顎変形症の治療費は、顎口腔機能診断施設の届出を行なっている矯正歯科で治療を行う場合に限り健康保険が適用されます。その場合、手術や入院にかかる費用も健康保険が適用されます。
骨吸収抑制剤の投与をうけている場合の治療についてや顎骨壊死を発症されている方に対しての治療について
骨吸収抑制剤であるビスフォスフォネート系薬剤(以下BP)やデノスマブは骨粗鬆症や癌の骨転移などに対し非常に有効なため多くの方々に使用されています。しかし、2003年から使用経験のある方が抜歯などの顎骨に刺激が加わる治療を受けると顎骨壊死が発生する場合があることがわかってきました。海外の報告では、内服薬では4年以上内服していると0.21%発症すると報告されており、また癌に対しての注射剤投与では1.3~1.8%発症すると報告されています。顎骨が壊死すると、歯肉腫脹・疼痛・排膿・歯の動揺・顎骨の露出などが生じます。
一般の歯科治療(歯石除去、虫歯治療、義歯作製など)で顎骨壊死が生ずることは少なく、発生リスクが高い治療は、抜歯・歯科インプラント手術・歯周外科などの骨への侵襲を伴う外科的処置です。骨吸収抑制剤の長期使用、癌化学療法、顎骨への放射線治療、ステロイド剤、糖尿病、喫煙、飲酒、口腔内の不衛生などによっても顎骨壊死の発生率は増加するといわれています。
以上のことから、当科では、骨吸収抑制剤の投与中もしくは投与経験のある方に対しては、担当(処方)医との連携の下、以下の方針で歯科治療および口腔外科手術を行い顎骨壊死の予防に努めます。
- 歯石除去・虫歯治療・義歯作製など顎骨に侵襲がおよばない一般の歯科治療 顎骨や歯肉への侵襲を極力避けるよう注意して歯科治療を行ないます。治療後も義歯などにより歯槽部粘膜の傷から顎骨壊死が発症する場合もありますので、定期的にかかりつけ歯科にて口腔内診査を行ないます。
- 抜歯・歯科インプラント・歯周外科など顎骨に侵襲がおよぶ治療
A.投与を受ける予定のある方の場合
1)感染源となる残根や高度の歯周病などがあれば、投与1か月前までに抜歯や歯周外科手術を行います。
2)顎骨への侵襲が大きな歯科インプラントの埋入手術や完全埋伏歯の抜去手術は避けられることを勧めます。
B.骨吸収抑制剤の内服をされている方の場合
1)内服期間が4年以上の場合は、内服中止可能であれば手術前少なくとも2か月間は投与中止し、
手術後も骨の治癒傾向を認めるまでは休薬していただきます。
2)顎骨壊死の危険因子(ステロイド剤内服、糖尿病、喫煙、飲酒、癌化学療法など)を有する方も、
投与中止可能であれば手術前少なくとも2か月間は投与中止し、手術後も骨の治癒傾向を認める
までは休薬していただきます。
3)投与期間が4年未満で危険因子のない方に対しては、通常のとおり口腔外科手術を行ないます。
C.がんに対して静脈内投与を受けている方の場合
1)どうしても必要な場合を除き口腔外科手術は受けられないことをお勧めします。
2)歯科手術の際、注射を中止するべきか否かは現在のところ明確ではありません。
しかし症状が許せば投与を中止することが推奨されています。
3)悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症あるいは骨関連事象(骨痛や病的骨折)のリスクが
高い方では注射を継続せざるを得ないこともありますが、この場合顎骨壊死を起こす
危険性が高くなります。
なお、骨吸収抑制剤の休薬・再開などについては、担当(処方)医師と充分相談の上決定し顎骨壊死の発生予防に努めますが、上記の処置方針に従ったとしても顎骨壊死が生じる危険性があります。
また、骨露出や排膿を伴う顎骨壊死を発症し、当院を受診された場合、レントゲンやCTを撮影し、病巣の範囲を確認し、1)顎骨壊死の進展の抑制2)疼痛、排膿、知覚異常などの症状の緩和と感染制御
を目標に治療を行います。状況次第で、病巣の除去を目的とした全身麻酔下手術を行います。
以上の方針で、骨吸収抑制剤投与を受けている方に対しての治療や顎骨壊死を発症している方に対して治療を行っておりますので、なにかありましたらご連絡か受診をしてください。

寝屋川市唯一の二次歯科医療機関として機能している。門真市、交野市、大東市、守口市、枚方市からの紹介患者も多数受け入れている。 毎月第3木曜日(8月・12月を除く)の20:00から小松病院歯科臨床セミナーを開催し、20~30名の歯科医師の参加がある。
平成30年度概要
- 年間外来総患者数 26,615名
- 年間紹介患者数 1,762名

歯科医師臨床研修
平成9年度から歯科医師臨床研修制度が開始され、同年厚生労働省の臨床研修施設(単独方式)の認定を受け毎年研修医を受け入れています。
歯科医師臨床研修指導医:田村仁孝
令和4年度小松病院歯科口腔外科臨床研修プログラム050174001.pdf
小松病院歯科口腔外科臨床セミナー
毎月小松病院松柏苑会議室にて臨床セミナーを開催しています。(基本第3木曜日)
発表・講演
- 平成21年9月 第1回 ISMSJ 学術集会
歯科が糖尿病教育入院と睡眠医療に関わる役割
小松病院 いびき外来 田村仁孝
- 平成21年9月 第1回 ISMSJ 学術集会
当科における閉塞型睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置治療の現状と問題点
久保州敬、後藤基宏、山田龍男、太田啓介、濱田裕之、室井悠 里、砂田典子、田村仁孝、杉立光史、覚道健治
- 平成21年9月 第8回日本睡眠歯科学会
歯科が睡眠医療と糖尿病患者に関わる役割
小松病院 いびき外来 田村仁孝
- 平成21年11月 大津市歯科医師会講演
救急薬剤について 小松病院 歯科口腔外科
- 平成22年3月 第103回近畿臨床歯科麻酔研究会
ビスフォスフォネート製剤の投与が原因と考えられる下顎骨壊死の2症例
小松病院歯科口腔外科 和氣坂慶祐、田村仁孝、南 暢真、藤 喜久雄
- 第6回大阪歯科大学口腔外科第一講座研究会
ビスホスホネート製剤投与患者の 歯科口腔外科受診状況の調査
小松病院歯科口腔外科 和氣坂慶祐、南 暢真、田村仁孝、藤 喜久雄
- 第54回(社)日本口腔外科学会総会・学術大会
ビスフォスフォネート製剤により発症したと考えられる顎骨壊死の2例
大阪歯科大学口腔外科学第一講座 小松病院歯科口腔外科 渡邊信也、南暢真、藤喜久雄、森田章