- 上部消化管内視鏡は3133例で食道では逆流性食道炎・静脈瘤、胃・十二指腸は潰瘍・
ピロリ感染に対して治療を行っています。悪性疾患の早期発見-治療を行い、早期胃癌に対しESD(粘膜下層剥離術)を開始し前年14例施行しました。胃瘻造設・ボタン交換を119例行っています。また適時拡張術、止血術、異物除去、ステント留置など施行しています。 - 十二指腸内視鏡は45例で胆嚢炎・胆管炎・膵炎時に検査・ドレナージを中心に行い、
胆管結石の破砕術・減黄のためのドレナージなど診断後必要な処置も同時に行っています。下部消化管内視鏡は752例で大腸癌の早期発見・大腸ポリープに対し、内視鏡的粘膜切除術・ポリープ切除術も積極的に行っています。 - 肝炎については、肝障害(B・C型肝炎ウイルスやEBなどの他のウイルスなどから薬剤性、自己免疫性肝炎、ひいてはNASH(脂肪肝炎)について原因検索病状を評価し治療を行っています。昨今B型・C型肝炎については治療内容が進歩充実しインター
フェロンを使用しない最新の治療も適時施行しています。 - 肝癌治療については、放射線科の協力の下、肝動脈カテーテル塞栓術・ラジオ波治療を行っております
内視鏡検査
上部消化管
- 食道・脈瘤
EIS(硬化療法)、EVL(結紮療法)、EIS-L(結紮術併用硬化療法)等を病態に応じて選択し施行しています。 - 早期胃癌、胃腺腫
深達度範囲診断を厳密に行いESD(内視鏡的粘膜切開剥離術)、EMR(内視鏡的粘膜切除術)を選択し施行しています。 - 消化管出血
出血の病態に応じてクリップ法、HSE・エタノール局注法、アルゴンプラズマ凝固法等選択し治療しております。 - 胃瘻造設
昨今の高齢化、核家族化に伴い需要が急増しております。言語療法士による嚥下機能評価を行い胃瘻造設の適応決定しクリニカルパスを導入し施行しております。クリニカルパスも随時改良し適正な入院期間となるよう努めています。胃瘻ボタン交換は原則内視鏡下にて施行しております。
胆膵系
- 総胆管結石
病態に応じEST(内視鏡的十二指腸乳頭切開術)、EPBD(内視鏡的十二指腸乳頭バルーン拡張術)を施行し砕石術施行しております。 - 閉塞性黄疸
病態に応じ内視鏡的ドレナージ、経皮経肝胆管ドレナージを選択し必要に応じステント留置術も施行しております。
下部消化管
- 早期大腸癌、大腸ポリープ
拡大内視鏡を使用しpit診断を行いEMR(内視鏡的粘膜切除術)、ホットバイオプシーにて切除術を施行しております。
肝生検
肝疾患の進行度と活動性を把握する目的などにてクリニカルパスを導入し施行しております。B型慢性肝炎、C型慢性肝炎に対し肝硬変症への進行、肝細胞癌の発症予防目的にて病態に応じエンテカビル等の新薬の投与、ペグインターフェロンリバビリン併用療法等 EBM に基づき導入しております。自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変等他疾患に対しましても組織学的検討を加えつつ治療方針決定しております。
腹部血管造影
放射線科大上医師の御協力のもと主に肝細胞癌に対し肝予備能等を考慮に入れTAI(経カテーテル的肝動脈注入療法)、TAE(経カテーテル的肝動脈塞栓療法)を選択し施行しております。また、病態に応じ留置カテーテルによる化学療法、RFA(ラジオ波焼灼療法)、PEIT(エタノール注入療法)も施行しております。