2026/10/05
当院医師の英文論文が医学雑誌「Cureus」に掲載されました
当院 糖尿病内科の大谷はづき医師らによる研究論文が、英文医学雑誌「Cureus」に掲載されました。
論文について
Association of Finerenone Dose and Estimated Glomerular Filtration Rate (eGFR) Slope Changes in Patients With Diabetic Kidney Disease: A Real-World Retrospective Study
(糖尿病性腎臓病患者におけるフィネレノン投与量とeGFRの経時的変化との関連:実臨床における後ろ向き研究)
著者:Hazuki Otani, Soichi Kurioka
掲載誌:Cureus
掲載日:2026年9月20日
研究の概要
糖尿病の合併症の一つである「糖尿病性腎臓病(DKD)」は、糖尿病患者さんの腎機能が徐々に低下していく病気であり、進行を抑えることが治療上の重要な課題となっています。
今回の研究では、糖尿病性腎臓病の治療に使用されるフィネレノンについて、実際の診療データを用いて、投与前後で腎機能の低下速度(eGFR slope)がどのように変化したか、さらに投与量との関連について検討しました。
その結果、対象患者全体では、フィネレノン投与前に年間 **-5.20 mL/min/1.73㎡**であったeGFRの変化率が、投与後には **+0.27 mL/min/1.73㎡**となり、腎機能低下の速度に有意な改善が認められました。
また、投与量別の解析では異なる傾向がみられ、患者さんの腎機能や状態に応じた適切な投与方法について、今後さらに検討していく必要性が示されました。
今回の研究の意義
フィネレノンについては大規模な臨床試験により糖尿病性腎臓病に対する有効性が報告されていますが、実際の日常診療において、投与量と腎機能の長期的な変化がどのように関連するかについては、まだ十分な知見が蓄積されていません。
今回の研究は、実臨床における患者さんのデータからフィネレノン治療と腎機能の変化を検討したものであり、糖尿病性腎臓病のより適切な治療につながる知見の一つになることが期待されます。
小松病院では、日々の診療を大切にするとともに、診療の中から得られる知見を医学の発展とより良い医療につなげられるよう、今後も臨床研究・学術活動に取り組んでまいります。
論文情報
Otani H, Kurioka S.
Association of Finerenone Dose and Estimated Glomerular Filtration Rate (eGFR) Slope Changes in Patients With Diabetic Kidney Disease: A Real-World Retrospective Study.
Cureus. Published September 20, 2026.