2024/06/25
当院 消化器内科の英文論文が医学雑誌「Cureus」に掲載されました
当院 消化器内科の尾花 隆医師、山崎 修司医師、八上 義和医師による英文論文が、医学雑誌「Cureus」に掲載されました。
今回の論文では、ピロリ菌感染が確認されない患者さんに発生した胃がんについて、2症例を詳細に検討しています。
論文について
論文名
Helicobacter pylori-Negative Differentiated Intramucosal Gastric Cancer in the Antrum With a Morphological Change in Four Years: A Case Series
著者
Takashi Obana, Shuuji Yamasaki, Yoshikazu Yakami
所属
Department of Gastroenterology, Kyojinkai Komatsu Hospital, Osaka, Japan
掲載誌
Cureus. 2024;16(6):e63148
掲載日
2024年6月25日
DOI
10.7759/cureus.63148
PubMed ID
39055426
研究の概要
胃がんの多くは、Helicobacter pylori(ピロリ菌)感染との関連が知られています。
一方で、ピロリ菌感染歴が確認されない患者さんにも胃がんが発生することがあり、その特徴や経過については、まだ十分に分かっていない点があります。
今回の論文では、ピロリ菌感染が確認されなかった患者さんに発生した、胃の出口に近い幽門前庭部の分化型早期胃がん2症例について報告しました。
1例では、現在の内視鏡所見を過去の検査画像と比較したところ、約4年前には小さく隆起していた病変が、その後、陥凹した形へ変化していたことが確認されました。病変は内視鏡治療で切除され、病理組織学的には胃粘膜内にとどまる早期胃がんでした。
もう1例でも、胃の幽門前庭部に小さな隆起性病変を認め、内視鏡治療後の病理検査により分化型胃がんと診断されました。
今回の報告で分かったこと
今回の2症例から、ピロリ菌陰性の分化型胃がんの一部は、小さな隆起性病変として発生し、比較的長い経過のなかで徐々に形態を変化させる可能性が示されました。
また、このタイプの病変は内視鏡で良性の隆起や炎症性変化と区別しにくい場合があり、ピロリ菌陰性であっても、気になる病変については慎重に観察することの重要性が示唆されています。
より早い発見につなげるために
ピロリ菌感染がない場合でも、胃がんの可能性が完全になくなるわけではありません。
今回の報告は、比較的まれなタイプの胃がんについて、過去の内視鏡画像と現在の所見を比較することで、その自然経過の一端を示した点に意義があります。
小松病院では、日々の診療で得られた知見を学術活動へつなげ、より精度の高い診断と治療に生かせるよう、今後も臨床研究・学会発表に取り組んでまいります。
論文情報
Obana T, Yamasaki S, Yakami Y.
Helicobacter pylori-Negative Differentiated Intramucosal Gastric Cancer in the Antrum With a Morphological Change in Four Years: A Case Series.
Cureus. 2024;16(6):e63148.
doi:10.7759/cureus.63148